NOT DESIGN SCHOOL(ノットデザインスクール)

「もう遅い」って誰が決めた?30代・40代デザイナーのキャリア戦略

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2026/06/15

📌 この記事のポイント

  • 「もう遅い」と決めているのは市場ではなく自分自身。これがウェビナーの結論

  • 転職者の平均年齢は32.9歳、40歳以上の割合は17.5%まで上昇(doda・2025年)

  • 不安の正体はライフステージと身体的変化。年齢そのものではない

  • 採用側には本音とバイアスが現実に存在する。知った上で戦い方を変える

  • 戦うべき場所は3つ:人間力・経験の言語化・柔軟性とアンラーニング

2026年6月13日更新

「もう遅い」と決めているのは市場ではなく自分自身

30代・40代のデザイナーのキャリアが「もう遅い」かどうかを決めているのは、採用市場ではなく自分自身です。これが、転職支援実績1,000名超のキャリアコンサルタント・トム・イシカワ(石川智規)氏が、NOT DESIGN SCHOOLのウェビナーで出した結論です。

実際のデータもこの結論を裏づけています。パーソルキャリアの調査(2025年)では、転職者の平均年齢は32.9歳で3年連続上昇、40歳以上の割合は17.5%と2022年比で3.6pt増えました。さらにdodaの2026年ミドルシニア転職市場予測(2025年12月発表)では、2026年のミドルシニア転職者数は過去最多水準になると予測されています。

一方で、採用現場には年齢に対するバイアスが現実に残っているのも事実です。この記事では、ウェビナーの内容をもとに「不安の構造」「採用側の本音」「3つの戦い方」を順に整理します。

参考動画:「もう遅い」って誰が決めたの?30代・40代デザイナーのキャリア選択【前編】【後編】

登壇者トム・イシカワ氏とは|企業と求職者の両方を見るキャリアコンサルタント

トム・イシカワ(石川智規)氏とは、クリエイター専門のキャリア支援を行う国家資格キャリアコンサルタントです。長年ウェブスタッフ株式会社でクリエイターの転職・採用支援に携わり、現在は独立して活動しています。転職支援とその後のサポート実績は1,000名を超えます(2026年時点・Wantedlyプロフィールより)。

この記事の土台となるウェビナーが信頼できる理由は、氏の立ち位置にあります。

  • 企業側の支援もしている:人事支援・採用支援・組織開発まで手がけ、採用側の本音を日常的に聞いている

  • 求職者側の支援もしている:個人のキャリア相談を通じて、30代・40代のリアルな不安に触れている

  • 業界歴は約20年:デザイン・Web業界のトレンドを長期で見てきた

さらに氏は、クリエイターのポートフォリオを集めたギャラリーサイトGOOD PORTFOLIOを運営し、Adobe公式ブログでキャリア連載も執筆しています。スクール系メディアにありがちな「なれる!」でも「無理!」でもない、企業と求職者の真ん中からの視点が今回の内容の価値です。

トム・イシカワ氏のAdobe公式ブログ連載「クリエイターのキャリア別もやもや資料室」

30代・40代デザイナーの不安の正体|ライフステージと身体的変化

30代・40代のキャリア不安の正体とは、年齢そのものではなく「前提条件の変化」です。トム氏はウェビナーで、不安が生じる理由を大きく2つに整理しました。

30代・40代の不安の集約スライド:すべての根底にある問いは「私は市場に必要とされるのか?」

変化

具体例

仕事への影響

ライフステージの変化

結婚・出産・介護・実家の問題・老い支度

仕事にかけられる時間と労力の配分が変わる

身体的な変化

目・首・肩・腰、体力や集中力の低下

若い頃の働き方・戦い方が再現できなくなる

ポイントは、どちらも「能力の劣化」ではなく「前提条件の変更」だということです。前提が変われば、これまでのやり方が通用しない未知の領域への挑戦になります。未知だから難易度が上がり、難易度が上がるから漠然とした不安が生まれる。この構造を理解するだけで、不安の輪郭はかなりはっきりします。

トム氏が勧めるのはメタ認知です。自分の状況を第三者の視点から眺めて、「この不安は自分だけのものではなく、構造的に起きるものだ」と捉え直すこと。もちがスクールを運営していても、30代・40代の受講生が抱える不安はほぼこの2つに集約されると感じます。

不安が生じる2つの理由:ライフステージの変化と身体的な変化。「わたしだけではない」というメタ認知が大事

「私は必要とされていない」という錯覚が生まれる5段階

「自分はもう必要とされていないかもしれない」という感覚とは、事実ではなく、構造的に生まれる錯覚です。トム氏はこの錯覚が生まれるプロセスを5段階で説明しました。

段階

何が起きるか

1. 役割が増える

加齢に伴い、家庭・介護など守るべきものが増える

2. ブレーキがかかる

失いたくないものが増え、損失回避バイアスで思考と行動が保守的になる

3. 即物的な情報に頼る

「今すぐ使えるもの」「安全なもの」ばかり探すようになる

4. アルゴリズムに囲い込まれる

XなどのSNSが興味に合わせて似た情報ばかり表示する(エコーチェンバー)

5. 比較対象が固定化する

「いいねの多い人」「有名企業に入った人」とだけ比較し、自己評価が悪化する

錯覚を生む構造のスライド:制約の増加から「市場に必要とされていないのではないか」という錯覚が生まれるまでの6段階

損失回避バイアスとは、得をするより損を避けることを優先してしまう心理傾向のことです。行動経済学で広く知られた概念で、年齢を重ねて守るものが増えるほど強く働きます。

そしてSNSのレコメンドは、ユーザーの滞在時間を延ばすために興味のある情報を集中的に表示します。その結果、本当は広大で多様な市場のごく一部だけが「自分を取り巻く世界のすべて」に見えてしまう。狭い世界の中のトッププレイヤーとだけ自分を比べれば、自己評価が下がるのは当然です。

つまり「もう遅い」は、市場が下した評価ではありません。狭くなった視野の中で、自分が自分に下した評価です。タイトルの問い「誰が決めたの?」への答えはここにあります。

採用市場のリアル|企業側の本音とバイアス

ここからは耳の痛い話です。採用市場の現実とは、マインドセットだけでは乗り越えられない、企業側の本音とバイアスが存在する世界です。トム氏は「めちゃくちゃ厳しいです」と前置きした上で、企業側から実際に聞こえてくる声を紹介しました。

「現実は、厳しい。」企業側の本音スライド:未経験を育成する余裕はない、即戦力となる30代の10年選手を採りたい等

企業側の本音

背景にあるロジック

未経験者は採用したくない

育成コストがかかる。四半期ごとに業績を出す上場企業ほど、売上に直結しない採用を避ける

同業他社で5〜10年経験した30代がほしい

即戦力がいちばん計算しやすい

30代・40代ならマネジメント経験があってほしい

「年齢相応の役割」という固定観念が残っている

フリーランス歴の長い人は避けたい

「組織でうまくやれなかったのでは」という偏見

年齢の上限は実質的に決めている

組織の年齢構成を設計する人事側の事情

補足すると、求人票に年齢制限を書くことは雇用対策法の改正により2007年10月から原則禁止されています(厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」)。それでも実務上は、組織の年齢構成を考えて採用ターゲットの年齢帯を内部的に設定している企業が多い、というのがトム氏の見立てです。

重要なのは、これらの多くがバイアス(偏見)だという点です。「10年経験があればマネジメントをしているはず」「フリーランスは組織に馴染めない」といった決めつけは、個人の実際の歩みとは関係ありません。ただし採用側も時間が有限なので、経験則での判断をゼロにはできない。バイアスの存在を嘆くのではなく、バイアスがある前提でどう伝えるかを設計するのが現実的な戦い方です。

採用現場に存在している年齢や経験に対するバイアスのスライド:変化に弱そう、プライド高そう、学習スピード遅そう等

なお、市場全体で見ればミドル採用は拡大しています。dodaの調査(2025年12月発表)では、2025年度に40代後半以上の人材採用を「増やす」と回答した企業は4割以上でした。バイアスは残りつつも、即戦力を求める企業のミドル採用ニーズは確実に増えています。

戦い方1|人間力:挨拶・お礼・セルフケア・まずやってみる

ここからは具体的な戦い方です。前提として、トム氏は「一定のスキルや技術は絶対に必要」と明言しています。その上で、年齢を重ねた人がスキル以外で戦える場所の1つ目が人間力です。

人間力とは、ここでは「組織や取引先との関係の中で信頼を生む振る舞いの質」を指します。具体的には次の4つです。

  • とにかくやってみる:守るものが増えるほど「とりあえず動く」が難しくなる。だからこそ動ける人の価値が上がる

  • 挨拶とお礼がちゃんとできる:トム氏いわく、役職が上の人ほどお礼状の対応が速い。当日に出して翌日に返ってくるスピード感

  • 「分からない」と言える:年齢を重ねると「できないと思われたくない」が先に立つ。分からないと認めて次につなげる方が信頼される

  • 自分をケアできる:「いま疲れているから休む」と判断できる力。長く働くための土台

人間力のスライド:年齢が上がれば上がるほどスキル差よりも、ふるまいの質の差が効いてくる

「そんなの当たり前では?」と思うかもしれません。しかしトム氏が指摘するのは、年齢が上がるほど「年上だから人間的にも上」という振る舞いに陥る人が一定数いる、という現実です。20代には出せない「大人の質の差」は、スキル表には載らない差別化要素になります。

ウェビナー後半でトム氏が紹介した「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のエピソードも印象的でした。会社のナンバー2として権限を持っていた時期に、取引先の部長から「上司部下は殿様と家来の関係性じゃないですよ」と一言だけ言われ、数年後に真意を確認しに行ったところ「あなたが部下を叱責する姿は、取引先に見せる姿でも、部下のためになる姿でもなかった」と告げられたという話です。上に行くほど頭を下げられる人が信頼される。30代・40代のキャリアの土台はここにあります。

戦い方2|経験の言語化:再現性・文書化力・問題発見力

2つ目の戦い方は経験の言語化です。経験の言語化とは、10年・20年の社会人経験を「これからも再現できる価値」として相手に伝わる形に変換することです。

30代・40代には20代にない経験のストックがあります。ただし、経験は持っているだけでは武器になりません。トム氏が挙げた言語化すべき3つの力はこれです。

言語化すべき力

内容

採用側にどう映るか

再現性

「何をやったか」ではなく「どうやったか・どう汎化したか」

入社後も同じ価値を出せる人

文書化力(ドキュメンテーション)

マニュアル・フォーマット・スライドなど、知見を形にする力

スキルを下に継承し、組織のレベルを上げられる人

問題発見力

顧客の本当の問題を見つけ、課題に分解する力

作業ではなく「問い」を生み出せる人

経験:私たちが伝えるべきことのスライド。業務的なところ(実績の再現性・文書化力・問題発見力等)と性格的なところ(柔軟性・謙虚さ・アンラーニング等)

特に問題発見力は、年収のロジックと直結します。年齢が上がるほど企業が支払う給与は上がり、その分だけ高い対価が求められる。その「高い対価」とは作業量ではなく、問いを見つけ出す力や、より高いレベルのアウトプットです。

この構造は、AIの進化とも噛み合っています。制作作業そのものはAIが急速に巻き取りつつあるからこそ、「何を作るべきか」を定義する上流の力の価値が相対的に上がっている。この視点はデザイナーじゃなくてオペレーターになってませんか?20年デザイナー・後藤氏が語る3つの判断軸でも深掘りしているので、あわせて読んでみてください。

戦い方3|柔軟性とアンラーニング:若手から学び、積み上げを捨てる

3つ目の戦い方は柔軟性とアンラーニングです。アンラーニングとは、これまで学んで積み上げてきた知識ややり方を、環境の変化に合わせて意図的に手放し、学び直すことを指します。

トム氏が挙げた性格面の武器は次の通りです。

  • ユーモア(余白):年齢が上がるほど若手は話しかけにくくなる。その距離を縮める「可愛げ」は、経験の引き出しがある大人だからこそ出せる

  • 謙虚さ:若手を「未熟」と決めつけず、今という時代を最先端で生きる人として教わりに行く

  • 柔軟性・学習姿勢:凝り固まらず吸収し続ける姿勢が「この人にはまだ可能性がある」という評価につながる

  • アンラーニング:強固に積み上げたものが、環境が変われば足かせになる。捨てて学び直せる人は少ないからこそ価値がある

アンラーニングの重要性は、AI時代に一段と増しています。トム氏もウェビナーで「来年にはコーディングが必要なくなるかもしれない。そのときは積み上げたものを捨てて、AIと一緒にコードを作る方法を学び直すしかない」と語りました。

もちが3年間スクールを運営して見てきた限りでも、30代・40代で伸びる受講生の共通点はまさにここです。年齢や経験年数ではなく、「新しいツールを素直に触れるか」「若いメンターから素直に学べるか」が成長速度を分けます。学び直しの具体的な方法論はデザインセンスを後天的に身につける方法でも解説しています。

職務経歴書とポートフォリオは「What」ではなく「How」で書く

伝え方の核心とは、「何をしたか(What)」の羅列をやめて「どうやったか(How)」を書くことです。トム氏が現場で最も多く見る失敗が、経験豊富な人ほど職務経歴書を箇条書きの羅列にしてしまうパターンです。

書き方

採用側の受け取り方

What型:「○○の案件をリリースしました」の箇条書き

「この人は説明する気がないんだな」。価値が再現されるか判断できない

How型:誰と・どうやって・どんな価値を出したかを記述

入社後の動きがイメージでき、価値の再現性が伝わる

「全部Howで書いたら長くなりすぎる」という疑問には、トム氏は取捨選択と重み付けで答えています。

  1. 相手(応募先)が誰かを考え、伝える経験を絞る

  2. いちばん伝えたい経験は100%の濃度で書く

  3. 次点の2〜3個は50%で書く

  4. その他は5%程度の箇条書きに圧縮する

戦い方:それらをどう伝えるかのスライド。WhatよりHow、成功体験の型化、Who・How を盛り込んだポートフォリオ

さらに、行きたい会社が決まっているなら「自分が入ったらどんな価値貢献ができるか」という未来のアピールまで書く。過去の実績と未来の貢献をセットで伝えて、初めて採用側のバイアスを乗り越える材料になります。

ポートフォリオも考え方は同じです。トム氏が運営するGOOD PORTFOLIOには、プロセスや思考まで伝わる優れたポートフォリオが集まっているので、構成の参考に眺めてみてください。

30代・40代からキャリアを切り開いた実例

「何歳からでも、やれている人はやれている」。トム氏はウェビナーで、実際にキャリアを切り開いた人たちの事例を紹介しました。氏がnoteで運営する転職体験記マガジンには、クリエイターの転職活動の記録が約40〜50本集まっています。

参考とすべき人たち:営業からUI/UXデザイナーへの転職活動記、50社からの転職なめてた記録、40歳子持ち未経験の転職活動編

ウェビナーで紹介された事例の一部です。

年代・状況

キャリアの動き

武器になったもの

30歳前後・営業出身

UIコミュニティで学び、架空案件で詳細な実績を作ってUI/UXデザイナーに転身

営業経験×具体的な制作実績

31歳・デザイナー歴4〜5年

UI領域への転職活動を記録。応募チャネル別の通過率まで公開

活動の徹底的な言語化

40歳・未経験・育児中

未経験からクリエイティブ職への転身活動を記録

行動の継続と発信

48歳・スクール受講

契約社員からスタートし3年勤務。その後、家業と並行してフリーランスデザイナーに

際立つ愛嬌(人間力)

元警察官

行動力でデザイン会社に入り経験を積み、現在はUX領域を目指して活動中

行動量

トム氏はこうした人たちに共通する動きを「どこかに行く→情報に接続して自分をアップデートする→言語化して発信する→リアクションから人とつながる→また行動する」という循環として説明しました。この循環を回し続けることが、自分らしいキャリアを切り開くモメンタム(勢い)になります。

どの事例も順風満帆ではありません。壁にぶつかり、悩みながらも行動を続けた人たちの記録です。詳細は転職体験記マガジンで読めます。

校長の見解|年齢より「行動の総量」が差を生む

NOT DESIGN SCHOOL校長のもちが、ウェビナーを聞いて感じたことを4つの視点でまとめます。

視点1:もち自身も30代でキャリアの形が変わった当事者。

会社員デザイナーから、スクール代表と企業のCDOという複線のキャリアに移行したのは30代になってからでした。振り返って差を生んだのは年齢ではなく行動の総量だったと、もちは思っています。

視点2:伸びる30代・40代の共通点は「素直さ」。

NOTにも30代・40代の受講生は多くいます。成長が速い人は例外なく、若いメンターや新しいツールから素直に学べる人です。トム氏の言うアンラーニングと、現場の実感は完全に一致しています。

視点3:Xのタイムラインは市場の縮図ではない!!

発信する側として実感しますが、SNSで見える「すごい人」は市場のごく偏ったサンプルです。あれは本当に狭い狭い、とても偏ったオンライン上のコミュニティです。実際には恐ろしいほど多種多様なデザイナーがいます。是非オンライン上だけではなく、オフライン(イベントや交流会など)でもデザイナーたちを観察してみてください。きっと自己評価が変わると思います。

視点4:「コミュニティを使い倒せ」には運営側としても大賛成!!

トム氏の「お金を払っているんだから運営が困るくらい使い倒せばいい」という言葉、運営側のもちとしてもその通りだと思います。入って満足する人と使い倒す人では、得られるものの差が大きいと感じています。是非とも運営を困らせるくらい使い倒してほしい!!

限界と注意点

正直に書いておきたい注意点が3つあります。

1. 最低限のスキルラインは絶対にある。

人間力や経験の言語化は、スキルが一定水準にあることが前提の差別化です。トム氏自身もウェビナーで「一定のスキルや技術は絶対に必要。それは各自の努力でクリアしなければいけない」と明言しています。スキル不足の言い訳に「人間力」を使うことはできません。

2. バイアスは現実に存在し、書類落ちは普通に起きる。

マインドセットを変えても、企業側の偏見が消えるわけではありません。30代・40代の転職活動は、20代より応募数と期間を多めに見積もる必要があります。ここは判断が分かれるところですが、「すぐ決まらないのが普通」という前提で活動設計をする方が精神的にも持続しやすいです。

3. この記事は2026年6月時点の市場観です。

採用市場は景気とAIの進展で変わり続けます。dodaやマイナビなどの調査レポートは定期的に更新されるので、活動時点の最新データをあわせて確認してみましょう。

FAQ|30代・40代デザイナーのキャリアでよくある質問

Q1. 40代未経験からデザイナーになるのは無理ですか?

無理ではありませんが、簡単でもありません。育成コストの観点から未経験採用に消極的な企業が多いのは事実です。一方で、ウェビナーでは48歳でスクールに通い、契約社員からスタートして3年後にフリーランスデザイナーになった事例が紹介されました。スキル習得に加えて、これまでの社会人経験を「再現性のある価値」として言語化できるかが鍵になります。

Q2. 「デザイナー35歳定年説」は本当ですか?

データ上は否定されつつあります。転職者の平均年齢は32.9歳で3年連続上昇し、40歳以上の転職者割合は17.5%に達しています(doda・2025年調査)。2026年はミドルシニアの転職者数が過去最多水準になるという予測もあります。年齢の暗黙ラインを設ける企業が残る一方、市場全体ではミドル採用は拡大傾向です。

Q3. AIにデザイナーの仕事は奪われませんか?

作業領域は確実にAIに置き換わっていきますが、「何を作るべきか」を定義する上流の仕事の価値はむしろ上がっています。重要なのは、積み上げたスキルに固執せず学び直すアンラーニングの姿勢です。AIを武器にする側に回る方法は駆け出しデザイナーのためのClaude入門で解説しています。

Q4. フリーランス経験が長いと転職で不利になりますか?

「組織に馴染めないのでは」という偏見を持つ採用担当者は実際に存在します。対策は、チームでの協働経験や社内外の調整経験を職務経歴書に具体的に書くことです。「誰と・どうやって・どんな価値を出したか」のHowを示せば、偏見を上書きする材料になります。

Q5. 職務経歴書とポートフォリオ、どちらを優先すべきですか?

どちらも「How(どうやったか)」が書かれていることが大前提なので、優先順位より書き方を見直すのが先です。実績の箇条書き羅列は「説明する気がない」と受け取られます。伝えたい経験を絞り、最重要の1つを100%、次点を50%、その他を5%の濃度で書く重み付けを、両方に適用してください。

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