NOT DESIGN SCHOOL(ノットデザインスクール)

入稿データの作り方|イラレ必須チェック18項目

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2026/08/05

📌 この記事のポイント

  • 入稿データ作成は6ステップ。順番を守れば手戻りが出ない

  • 最初にやるのは複製と_OL命名。元データ上書きが最大の事故

  • 塗り足し3mm・実効解像度350ppi・総インキ量300%が基準

  • 解像度は「下げる」工程が必要。過剰も事故になる

  • トンボは「効果」ではなく「オブジェクト」から作る

2026年8月3日更新

入稿データ作りは「順番」を守れば6ステップで終わる

入稿データの作成は、①複製と命名 ②データ整理 ③トンボと塗り足し ④画像処理 ⑤アウトライン化と孤立点 ⑥パッケージと最終確認、の6ステップで完了します。この順番には理由があり、入れ替えると手戻りが発生します。たとえばアウトライン化を先にすると文字修正ができなくなり、画像処理を後回しにするとパッケージをやり直すことになります。

この記事は、NOT DESIGN SCHOOLで開催した入稿データ作成ワークショップの内容を、そのまま作業手順として並べ直したものです。講師はNOTメンターのたぬきさん。北海道札幌市でフリーランスのグラフィックデザイナーとして、チラシ・ポスター・名刺・ロゴ・パッケージ・展示会ブースまで手がけています。

上から順に実行すれば入稿データが完成する構成にしてあります。手元でIllustratorを開きながら読んでください。

STEP

やること

目的

飛ばすとどうなるか

1

複製して _OL を付ける

元データを守る

後日の部分修正ができなくなる

2

データ整理

不要物とゴミを消す

隠れテキストが印刷される

3

トンボと塗り足し

断裁位置とズレ対策

入稿エラーで差し戻される

4

画像処理

350ppi・CMYK化

画質不良またはファイル肥大

5

アウトライン化と孤立点

フォント環境依存をなくす

文字化け・字形の変化

6

パッケージと最終確認

提出物をまとめる

リンク切れのまま入稿

入稿とは?AIデータ入稿とPDF入稿の違い

入稿とは、そのまま印刷できる状態のデータを次の工程へ渡す行為です。デザイナーから印刷会社へ渡すのが典型例ですが、野毛印刷の解説にある通り、クライアントが原稿を制作会社へ渡すことも入稿と呼ばれます。会話では「誰から誰へ」を先に確認しておくと齟齬が減ります。

Illustratorでの入稿形式は2つです。

項目

AIデータ入稿(完全データ入稿)

PDF入稿

編集自由度

高い。印刷会社側で微調整してもらえる場合がある

低い。入稿後の修正は困難

必要な下処理

フォントのアウトライン化、リンク画像の管理

印刷会社配布のプリセットで書き出し

ファイルサイズ

大きくなりやすい

軽量

環境依存

Mac / Windows 間で差が出ることがある

少ない

トンボ・裁ち落とし

自分で作る

プリセットにより自動付与も可能

この記事で扱うのはAIデータ入稿です。工程を理解していればPDF入稿にも応用できますが、逆は成立しません。たぬき自身もAIデータ入稿を基本にしており、印刷会社側で気を利かせた微調整が入る余地が残る点を利点として挙げています。

STEP1|複製して _OL を付ける(元データを守る)

最初にやるのは、デザイン作業用のデータから入稿用データを複製することです。順番として最も重要で、ここを飛ばすと取り返しがつきません。

  1. 案件フォルダの中に「入稿」または「下版」フォルダを作る

  2. デザインデータ(.ai)と完成見本(.pdf)をコピーする

  3. AIデータのファイル名末尾に _OL を付ける(アウトライン済みの意味)

_OL を付けずに元データのままアウトライン化してしまうと、文字がすべて図形に変換され、後日の部分修正ができなくなります。「前のチラシを一部だけ差し替えたい」という依頼は実際によく来ます。たぬきも数年に一度はやってしまうと話しており、経験の長さでは防げない類のミスです。

ファイル名の構成は「クライアント名 + 年月 + 判型 + 最終更新日 + _OL」です。

クライアント名_2512_A4チラシ_1204_OL.ai

作業中に「今開いているのは _OL のほうか」を確認してから保存する癖をつけてください。

STEP2|データを整理する(不要物をすべて消す)

データ整理とは、アートボード外の不要オブジェクト・非表示レイヤー・ロックされたオブジェクトを取り除く工程です。制作中のデータには、試作したパーツや使わなかった素材が残っています。

  1. レイヤーパネルですべてのロックを解除する

  2. Command + Option + 3(オブジェクト > 全てを表示)で非表示オブジェクトを表示する

  3. アートボード外の不要なオブジェクトを削除する

  4. Command + A(全選択)でバウンディングボックスの範囲を確認する

手順4がポイントです。画面のはるか外側にオブジェクトが取り残されていると、Command + A を押したときにバウンディングボックスが不自然に広がるため、存在に気づけます。

さらに Command + Y(表示 > アウトライン)を通すと、画像がすべて非表示になり、写真の上に隠れていたテキストやゴミオブジェクトの輪郭が浮かび上がります。たぬきはこの工程を飛ばしてクライアントから「変な文字が入っている」と指摘された経験があり、以降は手順に組み込んでいます。ネット上の入稿ガイドではあまり触れられていませんが、費用ゼロで効きます。

STEP3|トンボと塗り足しを作る

トンボ(トリムマーク)とは、断裁位置を印刷会社に伝えるための目印です。Illustratorには2つの作り方がありますが、入稿で使えるのは片方だけです。

「効果 > トリムマーク」は使わないでください。 これはアピアランス上の見た目でしかなく、アウトライン表示にすると実体がないことがわかります。使うのはオブジェクト > トリムマークを作成です。

  1. 仕上がりサイズと同じ大きさの長方形を作る

  2. オブジェクト > トリムマークを作成

  3. 生成されたトンボを新規レイヤーに移動する

  4. そのレイヤーをロックし、最前面に配置する

手順3と4を省くと、作業中にトンボがずれます。また、トンボが他のオブジェクトに隠れていると断裁位置を読み取れず、入稿エラーになります。

Illustratorのアピアランス機能そのものに不安がある場合は、イラレのアピアランス入門ガイドを先に読んでおくと、この工程の意味が理解しやすくなります。

塗り足しは端の写真とイラストを忘れやすい

塗り足しとは、仕上がりサイズの外側3mmまで背景や写真を伸ばす処理です。断裁時のわずかなズレで紙の白が出るのを防ぎます。

  • 直線的な要素:クリッピングマスクをダブルクリックして編集モードに入り、Option(Alt)を押しながら両サイド均等に伸ばす

  • 曲線・斜めのあしらい:伸ばすとラインの角度が変わってしまうため、最初から塗り足し込みのサイズで作図し、はみ出しが気になるなら上からクリッピングマスクをかける

背景は誰でも気をつけますが、端に配置した写真やイラストは抜けやすい要素です。塗り足し不足はネット印刷の自動チェックで弾かれ、データが差し戻され、そのまま発送日の遅延になります。

あわせて、文字とロゴは仕上がりの内側3mmに収めてください。意図的に裁ち切る表現をしている場合は、入稿フォームの備考欄に「デザイン上の処理です」と書き添えておくと止まりません。

STEP4|画像を処理する(350ppiに「下げる」)

実効解像度とは、Illustrator上に配置したサイズで換算した実際の解像度です。元画像が高解像度でも、拡大配置すれば実効解像度は下がります。基準は350ppi前後、大判ポスターはサイズによって200ppi程度でも実用範囲です。

見落とされがちなのが、解像度は過剰でも問題になるという点です。ワークショップで扱ったチラシには2022ppiの画像が配置されていました。ファイルが重くなるだけでなく、グラデーションの出方に影響することもあります。

まずファイル > パッケージを実行して、リンク画像を1フォルダに集めます。ダイアログの「レポートを作成」はチェックを外して構いません。生成された Links フォルダを入稿フォルダへ移し、ここから1点ずつ処理します。

  1. Illustratorでダイレクト選択ツールを使い、画像の配置サイズ(mm)を確認する

  2. Photoshopで画像を開き、イメージ > 画像解像度Command + Option + I

  3. 単位をミリに切り替え、手順1で測った幅を入力する

  4. 「再サンプル」にチェックが入っていることを確認してOK

  5. イメージ > モード > CMYKカラーに変換

  6. 上書き保存し、Illustratorでリンクを再設定する

CMYK変換だけならアクション(Functionキー)に登録して省力化できますが、配置サイズの入力は自動化できません。画像1点ずつ行う必要があります。

PSDは統合する。ただし透明情報があるときは方法を変える

Photoshopで合成した背景をリンク配置する場合、レイヤーは1枚に統合しておきます。ここに落とし穴があります。

  • 通常の画像:レイヤー > 画像を統合

  • 背景が透明な画像(切り抜き素材など):「画像を統合」を使うと白い背景がついてしまいます。レイヤー > 表示レイヤーを結合、または対象レイヤーを選択して Command + E を使ってください

印刷会社側で色調整をかける案件では、逆にレイヤーを統合しないよう指定されることもあります。NOTメンターの塩さんが実際に言われた事例です。パッケージや什器など、ネット印刷以外の発注では発注先に確認するのが確実です。

PNGはPSDに変換してから配置する

PNGはRGBのみに対応した形式で、CMYKに変換できません。JPEGに変換すると透明部分に白背景がつくため、PSD形式で保存し直してCMYKに変換するのが正しい手順です。

実務メモ|QRコードなど白黒のPNGは、そのまま埋め込みで入稿してきたが問題は出ていない。ただし色付きのPNGは埋め込み時に色が変わることがあるため、ロゴのPNG支給は要注意。教科書的に正しいのはPSD変換のほう。

解像度が足りないときの3つの対応

「素材はウェブサイトから拾ってください」という依頼で、印刷に耐えない解像度の画像しかない場合があります。たぬきの対応は3段階です。

  1. クライアントへ元データの再手配を依頼する

  2. 入手できない場合、印刷に耐えるサイズまで小さく配置する

  3. 人物の顔などディテールが問われる用途は、フリー素材へ差し替える

Photoshop 2026(27.4)では、Adobe純正のFirefly Upscalerに加えてTopaz GigapixelとTopaz Bloomが統合され、最大約56MPまでのアップスケールに対応しました。消費クレジットはFireflyが1〜9MPで5クレジット、Topaz Gigapixelが25MPまでで10クレジットです。ワークショップでは600×400pxの画像を4倍にかけて実演しましたが、輪郭は滑らかになるものの生成由来の質感が明確に出て、実務投入できる品質ではありませんでした。ある程度の解像度がある画像の底上げには有効、破綻した画像の救済としてはまだ厳しいというのが現時点の評価です。

STEP5|アウトライン化して孤立点を消す

アウトライン化とは、フォント情報を持ったテキストを図形に変換する処理です。印刷会社の環境に同じフォントがなくても、文字化けや字形の変化が起きなくなります。

  1. STEP2の整理が済んでいることを確認する(ロック解除・非表示なし)

  2. Command + A で全選択

  3. Command + Shift + O(書式 > アウトラインを作成)

完了確認は書式 > フォント検索と置換で行います。「ドキュメントフォント」欄が空なら完了です。ここに残る場合の原因は3つ、孤立点・透明マスク・Illustratorのバグです。

孤立点とは、文字も図形も持たないアンカーポイントだけのオブジェクトです。テキストツールでキャンバスを一度クリックしただけで生成され、画面上には何も表示されないため、経験の浅い人のデータほど大量に散らばっています。孤立点が残っていると「アウトライン化されていないフォントがあります」という判定で入稿エラーになる可能性があります。

削除は選択 > オブジェクト > 孤立点を実行し、選択された状態で Delete を押すだけです。

このタイミングで、極端に小さいテキストも確認しておきます。最小フォントサイズは4.5〜6pt程度と言われることが多く、たぬきは4pt未満にしない運用にしています。これより小さいと、印刷時に擦れ・潰れ・滲みが発生します。

STEP6|フォルダにまとめて最終確認する

入稿フォルダとは、AIデータ・完成見本・リンク画像を1つにまとめた提出単位です。命名規則に唯一の正解はありませんが、たぬきの運用はそのまま実務で使える形になっています。

クライアント名_2512_A4チラシ_FIX/
    クライアント名_2512_A4チラシ_1204_OL.ai
    クライアント名_2512_A4チラシ_1204.pdf     ← 完成見本(完見)
    Links/
        写真01.psd
        ロゴ.ai
        QRコード.eps

フォルダ側には終了を意味する _FIX を付け、最後にZIP圧縮して送付またはアップロードします。クライアントから支給された元素材は、Links とは別のフォルダで保管してください。圧縮・変換を経たデータしか手元にない状態は、再入稿や再利用のときに困ります。

ここで知っておくと得をするのが、Links という名前のフォルダをAIデータと同じ階層に置くと、Illustratorが自動で認識して読み込むという挙動です。頭文字だけ大文字にするのがポイントです。この仕様はパッケージ機能とセットで用意されたもので、Illustrator CC以降のパッケージ実行時に自動生成されます

最終確認の4つの手段

  1. 原寸プリントして赤ペンを入れる。文字の大きさ、余白の詰まり具合、色の沈みは画面上では判定できません。日付・曜日・時間・電話番号・URLは1つずつチェックします。コンビニ出力でも効果があります

  2. 別のマシンで開いて確認する。たぬきは印刷費が数十万円規模の案件では、サブのMacにAirDropで送ってから開き直します。リンク切れやフォントの残りは、環境を変えると露呈します

  3. アウトラインプレビュー(Command + Y)を通す。隠れテキストとゴミオブジェクトの検出用です

  4. ネット印刷の自動入稿チェックを通す。ラクスルのスピードチェック入稿などは、細すぎる線・塗り足し不足・アウトライン未処理を自動で解析します

画面上の確認精度を上げるショートカットも合わせて使えます。Command + 1 で100%表示(画面上でほぼ原寸)、Command + 0 でウィンドウに合わせた全体表示、Shift + F(または表示 > プレゼンテーションモード)でアートボード外を隠した引きの確認ができます。

リンクと埋め込みの使い分け

リンク画像とは、AIデータの外にある画像ファイルを参照して配置している状態です。埋め込み画像は、AIデータの内部に画像を直接取り込んだ状態を指します。

項目

リンク画像

埋め込み画像

元画像の編集

Photoshopでの修正が自動反映

反映されない

ファイルサイズ

軽い

重い(200〜500MBになることも)

リンク切れ

移動・改名で発生する

発生しない

入稿時の扱い

画像フォルダを同梱する

AIデータ単体で完結

リンクパネルのアイコンは、無印が埋め込み、クリップ形が正常なリンク、赤いアイコンがリンク切れです。リンク切れの状態ではIllustrator上の表示が粗くなります。

印刷会社によっては埋め込みを指定される場合があります。指定がなければ、たぬきはリンクのまま入稿しています。ファイルが軽く、後から画像だけ差し替えられるためです。

入稿前チェックリスト18項目

入稿前チェックリストとは、データを渡す直前に機械的に確認する項目群です。STEP1〜6を通した後、この18項目で最終確認してください。

#

分類

チェック項目

確認方法

1

サイズ

アートボードが仕上がりサイズと一致

プロパティパネル

2

サイズ

塗り足し3mmが全要素にある

背景・写真・イラストを個別に目視

3

サイズ

トンボが最前面レイヤーにある

レイヤーパネル

4

サイズ

文字とロゴが仕上がりの内側3mmに収まっている

ガイドを引いて確認

5

カラー

カラーモードがCMYK

ファイル > ドキュメントのカラーモード

6

カラー

特色(DIC / PANTONE)が混入していない

ウィンドウ > 分版プレビュー

7

カラー

総インキ量が300%以内

Photoshopの情報パネル

8

文字

全フォントがアウトライン化されている

書式 > フォント検索と置換

9

文字

アウトラインプレビューで隠れテキストを確認した

Command + Y

10

文字

孤立点を削除した

選択 > オブジェクト > 孤立点

11

文字

4pt未満の極小テキストがない

文字パネル

12

文字

原寸プリントして文字校正した

紙と赤ペン

13

画像

リンク切れがない

リンクパネル(赤アイコンの有無)

14

画像

Illustrator上の実効解像度が350ppi前後

リンクパネル下部のPPI表示

15

画像

PSDのレイヤーが統合されている

Photoshopのレイヤーパネル

16

画像

PNGをそのまま配置していない

リンクパネルの拡張子

17

その他

0.3pt未満の線幅がない

線パネル

18

その他

非表示・ロックのオブジェクトがない

Command + Option + 3 で全表示

数値の根拠は、総インキ量300%がラクスルのご利用ガイド、推奨最小線幅0.3pt以上がポスター印刷プリオの解説です。総インキ量が300%を超えると裏うつりや滲みのリスクが上がります。

特色の混入は、大手企業から支給されたロゴデータで起きやすい事故です。DICやPANTONEの指定が含まれたまま入稿すると差し戻されます。ウィンドウ > 分版プレビューを開けば、そのデータで使われている版が一覧で確認できます。

実務メモ|線幅は0.25ptを下限にして運用してきて、これまで問題は出ていない。ただし定説は0.3ptなので、初めて使う印刷会社では0.3ptを守るほうが安全。

限界と注意点

入稿ルールは印刷会社ごとに違います。 この記事の数値(塗り足し3mm、実効解像度350ppi、総インキ量300%、最小線幅0.3pt)は一般的な基準です。実際の判定は発注先の入稿ガイドが優先されるため、初めて使う印刷会社では公式ガイドを先に読んでください。特殊加工や什器・パッケージ系は、ネット印刷の基準がそのまま適用できません。

素材のワークショップには講師の自己流が含まれます。 たぬき本人が「学校で体系的に習っていない」と断ったうえで話しており、PNGの埋め込み運用、線幅0.25ptの運用などは定説と食い違います。この記事では該当箇所を「たぬきの実務メモ」として分けて記載し、教科書的な正解を本文側に置いています。どちらを採るかは、案件の規模とリスク許容度で判断してください。

このSTEP順は1つの型であって、唯一の正解ではありません。 画像処理を先に済ませてからトンボを作る人もいます。判断が分かれるのは工程の粒度であって、「元データを守る」「アウトライン化は最後」という2点さえ外さなければ、順序の細部は自分の作業スタイルに合わせて構いません。

よくある質問

Q1. AIデータ入稿とPDF入稿、どちらを選べばいいですか?

初めての印刷会社や、環境依存のトラブルを避けたい案件はPDF入稿が安全です。印刷会社配布のプリセットで書き出すため、トンボや裁ち落としの設定ミスが起きにくくなります。一方、印刷会社側での微調整の余地を残したい案件や、指定がある場合はAIデータ入稿を選びます。まず学ぶべきはAIデータ入稿です。工程を理解していればPDF入稿にも応用できますが、逆は成立しません。

Q2. 塗り足しは何ミリ必要ですか?

一般的には3mmです。背景だけでなく、仕上がり位置に接するすべての写真・イラスト・図形に必要になります。あわせて、文字やロゴは仕上がりの内側3mmに収めてください。ギリギリに配置されたデータは入稿エラーで差し戻されます。意図的に文字を裁ち切る表現をしている場合は、入稿フォームの備考欄に「デザイン上の処理です」と書き添えておくと止まりません。

Q3. 画像を回転させるとPPI表示が下がるのはなぜですか?

Illustratorのリンクパネルが表示するPPIは、回転後のバウンディングボックス(外接する四角形)を基準に再計算された値だからです。画像を30度回転させると外接する四角形は大きくなるため、同じ画像でも表示上の数値が下がります。この挙動の解説にある通り、元画像が劣化しているわけではありません。実効解像度を判定したいときは、いったん水平の状態で数値を確認してください。斜め配置のまま数値を読むと、実態より低く見えます。

Q4. パッケージ機能の「レポートを作成」は必要ですか?

入稿目的なら不要です。チェックを外して実行してください。「フォントをコピー」も、アウトライン化が済んでいればフォント情報自体が残らないため、オン・オフどちらでも結果は変わりません。この項目が効くのは、アウトライン前のデータを他のデザイナーへ共有するときです。

Q5. レイヤーはどう分ければいいですか?

背景(BG)・その他すべて・トンボの3レイヤーで運用しています。写真・アイコン・テキスト・あしらいで細かく分ける人もいますが、自分が作業しやすい最小限で構いません。ただし、データを他の人に渡す予定があるなら「レイヤー1」のままにせず、誰が見てもわかる名前を付けてください。入稿データとして重要なのは分け方の細かさではなく、非表示レイヤーとロックが残っていないことです。

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