NOT DESIGN SCHOOL(ノットデザインスクール)

ポートフォリオの構成を書いてみよう|プロフィールと作品ページのワーク

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2026/10/05

📌 この記事のポイント

  • デザインの前に、構成を文章で書くと迷わない

  • 作品は自信作を先頭に。10作品が目安

  • プロフィールは4ページ以上で、人となりまで伝える

  • 作品ページは「なぜ・誰に・何を解決・過程」の4点

  • AIの活用は、作品の1つにワンアクセントで入れる

2026年9月23日更新

ポートフォリオは「構成を書く」ところから始めると迷わない

ポートフォリオ作りで迷わないコツは、いきなりデザインを始めず、先に「何をどの順番で載せるか」を文章で書き出すことです。構成が決まっていれば、レイアウトやデザインはその後で落ち着いて考えられます。

この記事は、2026年9月12日の「NOT DESIGN EXPO」で行われた「選ばれるポートフォリオのつくり方」のセッションをもとにしたワークです。グラフィックデザイナー歴27年のツネカドさんと、UIデザイナーのヒデさんが話した内容を、読みながら書き進められる4つのステップにまとめました。考え方の背景は、NOTのポートフォリオシリーズの考え方編もあわせて参考にしてください。

用意するもの

このワークで用意するものとは、載せる候補の作品と、応募したい会社の情報、自分の経歴のメモです。

用意するもの

内容

ポイント

作品

載せる候補の作品を3つ以上

自主制作でもよい

応募したい会社

会社名と、その会社の主な実績

会社のWebサイトで確認する

経歴のメモ

学校、仕事、続けてきたこと

デザイン以外の経験も書き出す

書く場所

Figma、Googleドキュメント、紙など

後で見返せればどこでもよい

ステップ1|作品を選んで、順番を決める

最初のステップは、載せる作品を選び、並べる順番を決めることです。

作品数の目安は10作品

ツネカドさんによると、未経験から実務3年目くらいまでなら、まずは10作品以上を目標にするとよいそうです。ただし、ここでいう1作品は、2〜4ページを使ってしっかり深掘りしたものです。最近は、数が少なくても、1つの作品のプロセスを丁寧に見せる傾向があるとのことでした。

「グラフィックポートフォリオの作品数は?」

並べ方は「自信作が先頭」

順番は、自己紹介ページのあとに、いちばんの自信作を置きます。採用担当者が見る時間は限られていて、最初の数ページが勝負だからです。古い作品から時系列で並べると、最初の作品だけで判断されてしまうことがあります。

「作品はどの順番で載せればいいですか?」

書いてみよう

順番

作品名

選んだ理由

応募先との関係

1

(いちばんの自信作)

自分の強みが最も出ている

応募先の実績に近いジャンル

2

(2番目)

3

(3番目)

応募先がWebの会社なら、会社のタイプによって先頭に置く作品を変えるのもおすすめです。ヒデさんは、例えばデジタルプロダクトの制作会社を目指すなら、最初の制作物に「サービスの設計やコンセプト立案など、上流の工程が色濃く出る事例」を置くと話していました。

ステップ2|プロフィールを4ページ分書く

2つ目のステップは、プロフィールを4ページ以上のボリュームで書くことです。ツネカドさんは、プロフィールページが非常に重要で、4ページ以上としっかりボリュームを持たせることをすすめていました。

講師のポートフォリオ制作例(プロフィール)

ページ

書くこと

伝わること

1ページ目

経歴、テクニカルスキル(使えるツールと年数)

基本情報・スキル

2ページ目

何年、どんなことを続けてきたか

継続力

3ページ目

仕事で大切にしていること

人となり

4ページ目

志望動機、貴社に貢献できること、3年後のキャリアプラン

熱意・伸びしろ

記入例(3ページ目|仕事で大切にしていること)

  • 周囲への気配りを大切にしています。前職では、新しく入ったスタッフのために、最初の1週間の作業手順をまとめた資料を作りました

  • 報告・連絡・相談を徹底しています。修正の依頼を受けたら、その日のうちに対応予定を返すようにしています

※ 記入例です。自分が実際にしている行動に置き換えてください。

💡 「なんでもできます」は印象に残らない
ツネカドさんは、趣味や特技をたくさん並べると「結局何が得意なの?」となってしまうと話していました。面接の後に「ああ、〇〇の人ね」と思い出してもらえるように、印象を1つに絞りましょう。

プロフィール写真は、カメラマンに撮ってもらうのがおすすめです。どうしても仕上がりが微妙な時は、白黒にするとそれらしく見える、という技も紹介されていました。

ステップ3|作品ページを1つ書く

3つ目のステップは、いちばんの自信作について、作品ページの文章を1つ書き切ることです。作品ページで伝えることは、次の4つです。

講師のポートフォリオ制作例(作品ページ)

項目

書くこと

記入例

なぜ

このデザインにした理由(コンセプト)

「地元の人に長く愛される店」を、手書き文字と温かい色で表現した

誰に

誰に向けて作ったか

30〜40代の、近所に住む家族連れ

何を解決

どんな課題を解決したか

新しい店なのに「入りにくい」と言われていた

過程

どう考え、どう進めたか

ヒアリング→ラフ3案→店主との打ち合わせ→修正

※ 記入例です。

ツネカドさんは、作品ページでは制作過程も丁寧に見せることで、自分の考えを整理し、デザインを言葉にする力もアピールできると話していました。まずは1作品分を書き切ると、残りの作品も同じ型で進められます。

作品ページを書く時のコツ

作品ページの文章は、長く書くほど良いわけではありません。採用担当者は限られた時間で見ているので、1つの項目を2〜3行で書くくらいがちょうどよい長さです。書き終えたら、声に出して読んでみて、つまずくところを短く直してください。

また、制作過程は、うまくいった流れだけでなく、迷ったところや、やめた案を1つ入れると、考える力が伝わりやすくなります。「A案とB案で迷い、ターゲットに近いB案を選んだ」のように、判断の理由を一言添えるのがおすすめです。

ステップ4|AIを使った作業を1つ書く

4つ目のステップは、AIを使って進めた作業を、作品ページの1つに書き加えることです。

「選ばれるためのポイント」02のスライド
習熟度・柔軟性・価値観のスライド

ヒデさんは、今のAI時代だからこそ、AIが使える人材だとアピールすることを意識してもよいと話していました。講演では、デザイナー向けスカウトサービスReDesignerの調査として、AIに関する記載があるとスカウトを送る意欲が上がると答えた企業が多かったことも紹介されていました。

ただし、ポートフォリオ全体をAIの話にする必要はありません。制作事例の1つに、ワンアクセントとして入れるのがヒデさんのおすすめです。

ヒデさんの例|フェーズごとに整理する

Gemini/Gemini Notebookの例
Figma Makeの例
Claude/ChatGPTの例

フェーズ

使ったAI

何を任せたか

準備

Gemini、Gemini Notebook

なじみのない業界の情報を集めてまとめ、分からないことを壁打ちする

情報設計

Figma Make

40〜50ページ規模のサイトのワイヤーフレームを作る

デザイン

Claude、ChatGPT

デザインのバリエーションを出す

ヒデさんによると、Figma Makeを使うことで、これまで1〜2か月かかることもあったワイヤーフレームが、うまくいけば1〜2週間で終わるようになったそうです。空いた時間は、コンセプトを練ったり、デザインの質を上げたりすることに使っていました。

書いてみよう

項目

記入例

どんな課題があったか

業界の知識がなく、ヒアリングの準備に時間がかかっていた

AIに任せたこと

業界の基本情報の整理と、想定される質問の洗い出し

自分がやったこと

質問の優先順位づけと、デザインの方向性の決定

空いた時間で何をしたか

配色の検討を3案から5案に増やした

※ 記入例です。

ヒデさんは、AIの事例から「AIの習熟度」「環境が変わっても適応できる柔軟性」「仕事の価値観」の3つが伝わると話していました。何をAIに任せ、何を自分でやったかを書くと、その人が大切にしていることが見えてきます。

書き終わったら見直す5つのチェック

見直しのチェックとは、4つのステップで書いた構成を、採用担当者の目線で読み直すための項目です。

  1. 最初の3ページで、自分の得意なことが伝わるか(表紙、プロフィールの冒頭、先頭の作品)

  2. プロフィールに、続けてきたことと大切にしていることが書かれているか

  3. 作品ページに「なぜ・誰に・何を解決・過程」の4つがそろっているか

  4. AIの話が、作品の1つにとどまっているか(全体がAIの話になっていないか)

  5. 応募先の会社の実績と、自分の作品の関係が説明できるか

構成を1枚にまとめる型

最後に、書いた内容を次の型にまとめておくと、デザインを始める時にそのまま使えます。

表紙:(自分らしさが伝わるデザインの方向)
プロフィール1:経歴、テクニカルスキル
プロフィール2:続けてきたこと(何年、何を)
プロフィール3:仕事で大切にしていること(実際の行動)
プロフィール4:志望動機、貢献できること、3年後
作品1(自信作):なぜ/誰に/何を解決/過程
作品2:なぜ/誰に/何を解決/過程(AIを使った作業もここに)
作品3〜10:同じ型で

書いた構成は、応募先ごとに少しずつ変える

一度書いた構成は、応募先ごとに少しずつ変えるのがおすすめです。作品の順番を入れ替える、志望動機を書き直す、応募先に関係する自主制作を1つ足す。全部を作り直す必要はありませんが、先頭の作品と志望動機だけでも応募先に合わせると、伝わり方が変わります。

校長の見解|AIで空いた時間を、何に使ったかを書いてほしい

もちは、NOTの生徒のポートフォリオを見る時、作品そのものと同じくらい「その人が何を大切にしているか」に目が行きます。このワークについて感じていることをまとめます。

  • AIを使ったことより、AIで空いた時間を何に使ったかのほうが、その人の価値観が伝わる。 「空いた時間で配色を5案に増やした」と書いてあれば、デザインの質を大事にしている人だと分かると思っています

  • 全部をAIの話にしない。 デザインの判断をしたのは自分だと分かる書き方にすると、安心して任せられる人に見えると感じています

  • まずは1作品分を書き切る。 全部を一度に仕上げようとするより、1作品を書き切って型を作るほうが、結果的に早く仕上がります

限界と注意点

  • 講演で紹介された調査の数値は、出典の資料で確認できていません。 数値を引用する場合は、ReDesignerのデザインデータブックなど、一次資料を確認してください

  • クライアントワークの情報をAIに入れた話を書く時は、守秘義務に注意しましょう。 社名や非公開の情報は伏せてください

  • AIが作った部分を、自分の作品として見せないでください。 どこをAIに任せたかを正直に書くことが、信頼につながります

  • 作品数や順番の目安は、グラフィックデザイナーの採用を中心にした考え方です。 応募先によって求められる数や形式は変わるので、募集要項も確認してください

ポートフォリオの書き方についてよくある質問

ポートフォリオは全部で何ページくらいになりますか?

目安として、表紙、プロフィール4ページ、10作品×2〜4ページで、30〜45ページほどになります。まずは作品数よりも、1作品を丁寧に見せることを優先してください。

形式はPDFと紙、どちらがいいですか?

ツネカドさんは、PDF版と紙のバインダー版の2種類を用意するのがおすすめだと話していました。書類選考やオンライン面接にはPDF、対面の面接にはバインダーを使います。作品の追加や差し替えがしやすい形式にしておくと便利です。

PDF版とバインダー版のTIPSスライド

Webデザイナー志望なら、ポートフォリオサイトは必須ですか?

必須ではありません。ヒデさんは、自分らしさが伝われば、PDFなどでもまったく問題ないと話していました。

AIを使っていないと、不利になりますか?

不利になるとは限りません。ただ、日々の作業でAIを使っているなら、それを1つ書き加えるだけで、新しい環境にも適応できる人だと伝わりやすくなります。

自主制作の作品しかありません。載せてもいいですか?

載せて大丈夫です。ツネカドさんも、応募先のクライアントの仕事を自主制作して載せる方法をすすめていました。自主制作であることを明記し、考えた過程を丁寧に見せてください。

構成を書くのに、どれくらい時間がかかりますか?

作品3つ分なら、2〜3時間が目安です。まずはステップ1と2を1日で書き、ステップ3と4を別の日に書くと、落ち着いて見直せます。

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