作字のやり方5ステップ|Procreateで名前ロゴを作る実践ガイド【2026年6月最新】

2026/06/14
📌 この記事のポイント
作字の流れは「構想→参考フォント→ラフ→アウトライン→仕上げ」の5ステップ
綺麗に仕上げるコツは3つ:レイヤーを重ねる・パーツを複製する・図形をガイドに使う
ラフは1発で描かず、何枚も重ねて「気持ちのいい形」を見つけていく
Procreateは買い切り2,000円。QuickShapeとマスクをクリップが作字の強い味方
参考フォントを基準にするのはプロの定石。ただしフォントのライセンス確認は必須
2026年6月13日更新
作字は「参考フォント×ラフの重ね描き」で誰でも作れる
作字(さくじ)とは、既存のフォントを使わずに文字そのものを自分でデザインすることです。センスや画力で決まると思われがちですが、実際のやり方は「構想→参考フォント決定→ラフ→アウトライン→仕上げ」の5ステップに体系化でき、iPadとProcreateがあれば完成まで持っていけます。
本記事では、NOT DESIGN SCHOOLのグラフィックメンター・ともひこさんが2026年に開催した参加型ウェビナー「作字夜会」の内容を基に、Procreateを使った名前ロゴ(ネームロゴ)の作り方を駆け出しデザイナー向けに整理しました。ともひこさんが「作字夜会」のイベントロゴを実際に作ったメイキングが題材なので、手順をそのまま真似できます。
参考動画:作字夜会 ~みんなで実践!楽しく学ぶ作字な夜会~(NOT DESIGN SCHOOLウェビナー・ともひこさん登壇)
作字とは?|フォントにない文字を自分でデザインすること
作字とは、タイトルやロゴのために文字を1から描き起こす(または既存フォントを大きく作り変える)デザイン手法のことです。Xで「#作字」のハッシュタグ投稿が活発なように、デザイナーの自主制作・ポートフォリオの定番ジャンルでもあります。
ロゴデザインとの違いは目的にあります。ロゴはブランドの識別が目的で、運用ルールや展開まで設計するのに対し、作字は「文字の形そのもので雰囲気を表現する」ことが主目的です。今回のテーマである名前ロゴは、自分の名前を題材にした作字で、作字の練習とポートフォリオ作りを兼ねられる入門に最適なお題です。
ウェビナーでともひこさんが提示したお題も「自分の名前で作字ロゴを作ってみよう」でした。ローマ字でも漢字でも自由で、マーク感(ロゴとして成立する固まり感)を意識するのがポイントです。
作字にProcreateが向いている理由|押さえる操作は7つだけ
Procreateとは、プロのアーティストも使う直感的なUIのデジタルアート制作アプリで、App Storeで買い切り2,000円(iPad版・2026年6月時点)で購入できます(Procreate公式)。月額課金がなく、ともひこさんも「Procreateを使い倒して作字している」と語る、作字との相性が良いツールです。
作字に必要な操作は、まず次の7つを覚えましょう。
操作 | 場所・やり方 |
|---|---|
ペン | ブラシボタン。種類が豊富なので描きやすいものを選ぶ。左側バーで太さ・不透明度を調整 |
消しゴム | ペンと同様に種類・太さ・不透明度を選べる |
レイヤー | 四角が2つ重なったボタン。+で追加、左スワイプで削除・複製・ロック |
カラー | 右上の丸。5種類の選択方式から好みのものを使う |
選択・移動・変形 | 左上のSボタンで投げ縄選択→矢印ボタンで移動・変形。コピーも可能 |
塗りつぶし・スポイト | カラーをドラッグして選択範囲に流し込み。左側の小さな四角でスポイト |
取り消し・やり直し | 2本指タップで取り消し、3本指タップでやり直し |
Procreateを持っていない場合でも、紙にラフを描いてIllustratorのパスで仕上げる進め方で同じフローを再現できます。ウェビナーでも「iPadやProcreateがない人は紙ラフ+イラレ仕上げでOK」と案内されていました。
作字ロゴを綺麗に仕上げる3つのコツ
作字が整って見えるかどうかは、描く前に知っておく3つのコツでほぼ決まります。ともひこさんが「自分が考えるコツ」として挙げたのは次の3つです。
コツ | 内容 |
|---|---|
1. レイヤーを重ねて形を整える | ラフを1発で描かず、レイヤーを何枚も重ねて少しずつフォルムを磨く |
2. 同じパーツは複製して使う | 連続するパーツ・同じ形の文字はコピーして使い回す |
3. グリッドや円をガイドとして使う | 正円・図形を下敷きにして線の形を決める |
コツ2「複製」が全体のトーンを揃える
作字夜会ロゴでは、同じ形のパーツや、形が近い文字(「字」と「夜」の一部など)を複製・変形して使っています。同じフォルムを並べることで、全体が均一で整った印象になります。「全部を1文字ずつ描く」よりも「描いたパーツを使い回す」方が、速いうえに仕上がりも整う。これは覚えておいて損のない考え方です。
コツ3「図形ガイド」の実例
作字夜会ロゴの「夜」の字は、正円をガイドにして作られています。手順は、正円を置く→参考フォントを変形ツールで円に沿わせて大胆に形を変える→不透明度を下げる→上から綺麗なラインで描き直す、という流れです。フリーハンドで曲線を描くのではなく、図形に沿わせて整える。これだけで曲線の精度が大きく上がります。
作字の流れ5ステップ|構想から仕上げまで
作字の制作フローとは、次の5ステップの繰り返しのことです。ウェビナーで解説された流れをそのまま整理します。
構想・イメージ選定:文字が持つ意味からデザインイメージを考える
参考フォントの決定:イメージに合う既存フォントを基準として選ぶ
ラフ:参考フォントを下敷きに、レイヤーを重ねて形を探る
アウトライン作成:少しずつ線を伸ばして輪郭を確定する
フォルムのブラッシュアップ&装飾:1文字ずつ→全体の順で整え、装飾して完成
ステップ1|構想:キーワードを書き出す
最初にやるのは描くことではなく、言葉の書き出しです。作字夜会ロゴの場合、「ポップ」「わちゃわちゃ感」「月」「みんなで集まっている」といったキーワードを書き出してから方向性を決めています。どんな雰囲気を表現したいかが決まっていないと、後の全工程がブレます。
ステップ2|参考フォントを決める
イメージが固まったら、それに合う既存フォントを参考として用意します。ともひこさんは「既存フォントを基準にすることで作字が非常にやりやすくなる」と強調しており、Illustratorが使える人はAdobe Fontsから探すのがおすすめです。フォントが用意できなければ、自分で普通に書いた文字でも、基準があるだけで作字のしやすさは大きく変わります。
ステップ3|ラフ:何枚も重ねて「気持ちのいい形」を見つける
参考フォントの不透明度を下げ、その上に新規レイヤーでラフを描きます。ここで大事なのは1発で綺麗に描こうとしないこと。1発描きはバランスが崩れがちです。
「隙間が気になる」「ここを整えたい」と感じたら、また新しいレイヤーを足して不透明度を下げ、上から描き直す。これを何枚も繰り返して、だんだん綺麗なフォルムに近づけていくのが、ともひこさん流の「美しい形の見つけ方」です。
ステップ4|アウトライン:QuickShapeで少しずつ線を伸ばす
ラフが描けたら輪郭線を確定させます。ここでも一筆で描き切るのではなく、少しずつ線を伸ばしていくイメージが推奨されています。
Procreateには、線を描いた後にペンを長押しすると直線や滑らかなカーブに自動補正される機能(QuickShape)があります。ウェビナーでは「手ブレ補正機能」と紹介されていたこの機能を使えば、フリーハンドでも整った線が引けます。短い線を引く→長押しで整える→次の線を足す、の繰り返しがアウトラインのコツです。
ステップ5|ブラッシュアップ:1文字ずつ→まとめて整える
アウトラインができたら、まず1文字ずつフォルムを整え、その後に複数の文字をまとめて選択して全体を整えます。この「まとめて変形」がポイントで、ロゴ全体としての一体感が出ます。
変形には3つのモードを使い分けます。
変形モード | 効果 |
|---|---|
フリーフォーム | 自由変形。図形ガイドに沿わせた形調整に |
ディストーション | パースがかかった表現。奥行きや勢いを出す |
ワープ | アーチ状など有機的な歪み |
作字夜会ロゴでは、完成形が「堅苦しくカチカチした印象」だったため、最後にディストーションで全体を斜めに歪ませてポップで賑やかな印象に調整しています。フォルムが整ったあとの「全体への一手」が、ロゴの表情を決めます。
装飾テクニック|「マスクをクリップ」と多彩なブラシで仕上げる
Procreateの装飾で軸になるのは、マスクをクリップ・調整機能・ブラシの3つです。
マスクをクリップは、新規レイヤーのサブメニューから選べる機能で、そのレイヤーに描いたものがすぐ下のレイヤーの範囲にだけ反映されます。文字からはみ出さずに模様や質感を乗せられるため、ともひこさんも装飾のメイン手法として使っています。
この機能の利点は3つあります。
良い装飾ができたら、そのレイヤーを複製して他の文字にも使い回せる(均一な装飾になる)
「違うな」と思ったらレイヤーごと消せば元通り(非破壊で試行錯誤できる)
不透明度を下げるだけで装飾の強さを調整できる
さらに、調整メニュー(キラキラのアイコン)からはカラー調整・ぼかし・ハーフトーンなどの効果がかけられます。ブラシを変えるだけでも質感は大きく変わるので、マスクをクリップ+ブラシの組み合わせで試行錯誤するのが装飾の近道です。
作字の限界と注意点
正直に書くと、Procreate作字には知っておくべき制約が3つあります。
Procreateはラスター(ピクセル)ベース
拡大すると輪郭が荒れるため、ロゴとして納品・印刷する場合はIllustratorなどでのベクター化(パスでのトレース)が必要です。キャンバスは最初から大きめの解像度で作っておきましょう
参考フォントの扱いはライセンス確認が必須
Adobe Fontsはロゴ・商標への使用やアウトライン化しての改変がライセンス上認められています(2026年6月時点)が、フリーフォントは「改変禁止」「ロゴ使用は要連絡」など規約がバラバラです。商用の作字ロゴで参考フォントを直接変形して使う場合は、必ず配布元の規約を確認してください
よくある質問(FAQ)
作字とレタリング、ロゴの違いは何ですか?
作字は文字そのものを描き起こすデザイン手法、レタリングは手描き文字の総称(カリグラフィ等を含む)、ロゴはブランド識別のための記号です。作字はレタリングの一種とも言えますが、日本のデザイン界隈では「フォントにない文字を作る」文脈で使われることが多い言葉です。
Procreateを持っていなくても作字できますか?
できます。紙にラフを描いてスマホで撮影し、Illustratorに配置してパスでなぞる方法で、本記事の5ステップをそのまま再現できます。ウェビナーでも「ラフはアナログ紙で描いてイラレのパスで仕上げる形でOK」と案内されていました。
QuickShape(手ブレ補正)はどう使いますか?
線を描いた後、ペンを画面から離さずに長押しすると、直線や滑らかなカーブに自動補正されます。カーブを描いて長押しすれば整った曲線になるので、作字のアウトライン作成では「短く描く→長押しで整える」を繰り返すのがコツです。
参考フォントをなぞって作字するのは著作権的に大丈夫ですか?
フォントのライセンス次第です。Adobe Fontsはロゴへの使用・アウトライン化・改変が認められていますが、フォントによっては改変やロゴ使用を制限しているものもあります。「参考に観察して自分の線で描き起こす」のと「フォントデータを直接変形して使う」のでは扱いが変わるため、商用案件では配布元の利用規約を必ず確認してください。
作字が上手くなる練習方法はありますか?
月1作でいいので、テーマを決めて継続するのがおすすめです。1作ごとに「構想のキーワード書き出し」から始めると、形だけでなくコンセプトを言葉にする力も育ちます。文字の基礎体力をつけたい人はWebデザイナーのための文字組み入門ガイド、仕上げの精度を上げたい人は文字組みの仕上げ術もあわせてどうぞ。
またNOT DESIGN SCHOOLでは、ともひこさんが制作した「作字マスター動画講座」を販売しています。Procreateを使った作字をマスターしたい方は是非チェックしてみてください!
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