デザイナーのためのGA4入門|LP改善の前後を一緒に比べてみる

📌 この記事のポイント
デザイナーのGA4は「変えた前後の比較」だけで十分
何もない日に開いても分からない。変えた日に見る
見る場所は「エンゲージメント」→「ランディングページ」
意図と数字をセットでメモすると、知識が貯まる
数字の変化は、デザイン以外の理由でも起きる
2026年9月23日更新
デザイナーのGA4は「自分が変えた前後」を比べるだけで始められる
デザイナーがGA4を使う目的は、自分が変えたデザインで、ユーザーの行動がどう変わったかを確かめることです。すべての画面や指標を覚える必要はありません。LPを直した日を境に、「前」と「後」の数字を比べるだけで始められます。
2026年9月12日の「NOT DESIGN EXPO」で、NOT DESIGN SCHOOL COOの菊池さんは、デザイナーにGoogleアナリティクスを見てほしいと話していました。ただし「何もない時に開いても、はぁ?となるだけ」。自分がファーストビューを直した時や、作ったバナーの配信が始まった時に見に行くのがおすすめだそうです。この記事では、その見方を、実際にGA4を開きながら進められる手順にまとめます。
用意するもの
このワークで用意するものとは、GA4を見る権限と、自分がデザインを変えた日とページの情報です。
用意するもの | 内容 | 用意できない時は |
|---|---|---|
GA4の閲覧権限 | 対象サイトのGA4プロパティを見られる権限 | マーケターやクライアントに「閲覧権限をもらえますか」と頼む |
変えた日 | デザインを公開した日付 | 公開作業をした人に確認する |
変えたページ | 直したLPのURL(例:/lp/xxx) | ページのURLをメモしておく |
変えた意図 | 何を狙って、どこを変えたか | 自分のメモやデザインの説明文から書き出す |
菊池さんによると、制作会社や代理店にいる場合は、クライアントのGA4が共有されていることも多いそうです。「見てもいいですか?」と一言聞くところから始めてください。
デザイナーが見るツールは4つ
GA4以外にも、デザイナーが知っておくと役立つツールがあります。菊池さんが講演で紹介した4つのツールを、役割ごとに整理しました。

ツール | 分かること | デザイナーが見るポイント |
|---|---|---|
Google サーチコンソール | 検索でどう見られ、クリックされたか | 表示回数は多いのにクリック率が低い検索語 |
GA4(Googleアナリティクス4) | サイトに来て、どうしたか | どこから来た人が、何人申し込んだか |
Google タグマネージャー | 数字を取る仕組み | ボタンのクリックや申し込みが計測されているか |
顧客管理ツール(CRM) | その後どうなったか | 申し込みの後、商談や受注につながったか |
この記事では、この中のGA4に絞って進めます。
ステップ1|ランディングページのレポートを開く
ランディングページとは、ユーザーがサイトに来た時に最初に見たページのことです。LPの効果を見るには、このレポートが入り口になります。
GA4を開き、左のメニューから「レポート」を選ぶ
「エンゲージメント」→「ランディング ページ」を開く
一覧から、自分が直したLPのURLを探す(上部の検索窓にURLの一部を入れると絞り込める)
レポートの場所や項目名は、Googleのアップデートで変わることがあります。見つからない時は、Google アナリティクス ヘルプ:ランディング ページ レポートで最新の場所を確認してください。
ステップ2|期間を「変える前」と「変えた後」に分けて比べる
期間の比較とは、同じ長さの2つの期間を並べて、数字の変化を見ることです。
画面右上の日付をクリックする
「比較」をオンにする
上の期間に「変えた後」、下の期間に「変えた前」を入れる
2つの期間の日数を同じにする(例:変えた後の14日間と、変えた前の14日間)
「適用」を押す
期間の決め方 | 例(9月1日に公開した場合) | 理由 |
|---|---|---|
変えた後 | 9月1日〜9月14日 | 公開した日から数える |
変えた前 | 8月18日〜8月31日 | 同じ14日間にそろえる |
避けたい期間 | セールや広告の配信量が大きく変わった日を含む期間 | デザイン以外の理由で数字が動くため |
ステップ3|LPで見る数字を確かめる
LPで見る数字とは、ユーザーがどれくらいページを読み、行動したかを表す指標です。菊池さんは、LPを変えると「1人あたりの滞在時間が伸びる」「購入率が上がる」「スクロールされる量が増える」といった変化が見えてくると話していました。

見る数字 | GA4での項目名の例 | 何が分かるか |
|---|---|---|
訪れた人の数 | セッション、ユーザー | 比べる母数が十分か |
読まれた時間 | セッションあたりの平均エンゲージメント時間 | ファーストビューで離脱していないか |
申し込み・購入の数 | キーイベント | 成果につながったか |
申し込み・購入の率 | セッションのキーイベント レート | 来た人のうち何%が行動したか |
スクロールの深さを見るには、事前に計測の設定が必要な場合があります。設定されているかどうかは、マーケターに確認してください。
比べる時に気をつけたいこと
期間を比べる時は、数字だけでなく「その期間に何があったか」もメモしておきます。例えば、変えた後の期間にSNSで話題になっていたり、広告の予算が増えていたりすると、デザインを変えていなくても数字が伸びることがあります。
菊池さんは、マーケターが社内で「広告を配信した」と話しているタイミングや、クライアントから「配信を始めた」と聞いたタイミングで見に行くとよいと話していました。変更した日と、外で起きたことを並べて見る習慣をつけると、数字の読み違いを減らせます。
ステップ4|意図とセットでメモを残す
最後のステップは、変えた意図と数字の変化を、1枚のメモにまとめることです。菊池さんは、1回見ただけでは「たまたま」かもしれないけれど、作るたびに見に行くと「こっち系のファーストビューが今は刺さる」と分かるようになる、と話していました。
記入例
項目 | 記入例 |
|---|---|
変えたページ | 講座LP(/lp/xxx) |
変えた日 | 2026年9月1日 |
変えたところ | ファーストビューの写真を、受講生の作業風景に変更 |
意図 | 「自分にもできそう」と感じてもらい、スクロールしてもらう |
変化 | 平均エンゲージメント時間:42秒→58秒/キーイベント レート:1.2%→1.5% |
次の仮説 | 実際の受講生の声を、ファーストビューの直下に置くとさらに読まれるかも |
※ 数値は記入例です。
「こういう意図で作ったんだよな」と思い出しながら数字を見ると、次に試すことが自然に出てきます。バナーの指標(CTRやCPM)の見方は、NOTのバナーの効果測定で詳しく解説しています。
数字の変化の読み方
数字の変化の読み方とは、2つの数字の組み合わせから、何が起きたかを考えることです。1つの数字だけで良し悪しを決めず、組み合わせで見るのがポイントです。
平均エンゲージメント時間 | キーイベント レート | 考えられること | 次の一手の例 |
|---|---|---|---|
伸びた | 上がった | よく読まれ、行動にもつながった | 同じ方向の変更を、他のページでも試す |
伸びた | 変わらない・下がった | 読まれたが、申し込みの後押しが足りない | ボタンや申し込みの近くを見直す |
縮んだ | 上がった | 早く決断できるようになった | 必要な情報が上にまとまった可能性を確認する |
縮んだ | 下がった | ファーストビューで離脱が増えた | 変更前のファーストビューと見比べる |
どの組み合わせでも、変えた意図と照らし合わせることが大切です。「読まれる時間を伸ばしたかった」のか「早く申し込んでほしかった」のかで、同じ数字の意味が変わります。
マーケターへの伝え方の例
伝え方の例とは、数字を見た後に、マーケターやクライアントと話すための文面です。菊池さんは、デザイナーから「一緒に考えたい」と言われると嬉しい、と話していました。
閲覧権限をお願いする時
先日公開したLPのファーストビューについて、変更の前後で数字がどう変わったかを確認したいです。次の改善案に生かしたいので、GA4の閲覧権限をいただくことはできますか?数字を見た後に共有する時
9月1日にファーストビューの写真を変えた前後で、平均エンゲージメント時間が伸びていました。「自分にもできそう」と感じてもらうことを狙った変更だったので、次は受講生の声をファーストビューの近くに置く案を考えています。広告の配信量など、他に変わったことがあれば教えてください。意図を添える:何を狙って変えたかを書くと、数字の意味を一緒に考えやすい
次の案を出す:数字の報告だけで終わらせず、次に試したいことを伝える
他の要因を聞く:デザイン以外に変わったことがないか、マーケターに確認する
1回の結果より、積み重ねたメモが財産になる
前後比較のメモは、1回分では「たまたま」かもしれません。ですが、3回、5回と積み重なると、自分のデザインの傾向が見えてきます。例えば「人物の写真を使ったファーストビューは、読まれる時間が伸びやすい」「ボタンの近くに一言添えると、申し込みの率が上がりやすい」といった、自分だけの知識になります。
菊池さんは、センスで作っているように見えるものも、実は過去の結果の知識に支えられていると話していました。メモを残すことは、その知識を自分の手で貯めていくことです。
校長の見解|数字は、次の提案に根拠を持つためにある
もちは普段、デザイナーが数字を見ることを「デザインを疑うため」ではなく、「次の提案に根拠を持つため」だと考えています。講演の内容を受けて、感じていることをまとめます。

数字を見るのは、次の提案に根拠を持つため。 「前回はこの変更で読まれる時間が伸びました」と言えると、提案の説得力が変わると感じています
1回で覚えるより、作るたびに見に行く習慣のほうが身につく。 GA4の画面に慣れるのは、回数を重ねてからで十分です
「結果を聞かせてください」と言えるデザイナーは頼もしい。 菊池さんも、結果をしつこく聞いてくるデザイナーは発注する側から見て嬉しいと話していました
限界と注意点
数字の変化は、デザイン以外の理由でも起きます。 季節、広告の配信量、セール、SNSでの話題などでも変わるため、マーケターと一緒に読み解いてください
訪れた人が少ないと、比べても判断できません。 数十人程度の差では、たまたまの可能性があります
GA4の画面や項目名は変わることがあります。 この記事は2026年9月時点の情報です。最新はGoogle アナリティクス ヘルプで確認してください
閲覧権限は、会社やクライアントのルールに従いましょう。 数字には売上などの大事な情報が含まれます
デザイナーのGA4についてよくある質問
GA4の権限がない場合はどうすればいいですか?
マーケターやクライアントに、閲覧権限をもらえないか聞いてみてください。難しい場合は、「変える前と後で、この数字がどう変わったか教えてほしい」と頼むだけでも十分です。
何日くらい待ってから比べればいいですか?
訪れる人の数によりますが、最低でも1〜2週間分は待つのがおすすめです。曜日によって数字が変わるので、7日単位でそろえると比べやすくなります。
数字が下がっていたら、デザインが悪かったということですか?
そうとは限りません。広告の配信量や季節など、別の理由で下がることもあります。マーケターと一緒に、何が影響したのかを確認してください。
GA4とサーチコンソールは、どちらから見ればいいですか?
LPを直した効果を見たいならGA4から、検索での見られ方を知りたいならサーチコンソールから見るのがおすすめです。
スマホとパソコンで分けて見たほうがいいですか?
LPはスマホから見られることが多いので、分けて見るのがおすすめです。レポートの画面で、デバイスのカテゴリで絞り込むと、スマホだけの数字を確認できます。
数字の変化は、どれくらいあれば「効果があった」と言えますか?
訪れた人の数によって変わります。判断に迷う時は、マーケターに「この差は偶然の範囲か」を相談するのがおすすめです。
GA4の画面が英語で表示されます。
画面右上の設定から、表示言語を日本語に変えられる場合があります。項目名は日本語と英語で表記が違うので、公式ヘルプを見る時も同じ言語にそろえると探しやすくなります。
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